• 平成29年度

地方都市の市街地幹線道路における舗装工事について

丸三工業株式会社 植松 直也

1.はじめに

現場は、伊豆半島最南端の南伊豆町に位置する一般県道下田松崎線です。地方都市の市街地幹線道路にあたり、町の中心部を流れる青野川沿いでもあります。今回の発表では、舗装工事における共通の問題点の他、地域特有の問題点、時間的制限に対する工夫等様々な直面した課題とその対策過程を記録したものです。

2.工事概要

工事名
平成28年度一般県道下田松崎線 舗装補修(道路維持)工事(排水性舗装工)
工事箇所
賀茂郡南伊豆町 下賀茂地内
工期
平成28年12月7日 ~平成29年3月17日
発注者
静岡県下田土木事務所
工事内容
施工延長L=212m 施工面積A=978㎡ ※夜間施工
(当初設計)舗装盤破砕t=10㎝ 基層工6㎝ 表層工(排水性)4㎝

3.現場周辺状況

県道沿いに町役場、コンビニ、スーパーマーケット、病院、旅館ホテルなどが点在し、通りそのものが商店街であり、住宅街でもあります。道路幅員は狭く最大6メートルから最小4メートル、カーブ中に至っては軽自動車同士のすれ違い通行も困難な道路の上、路線バスが始発6時14分、最終便21時42分の運行となっています。また、施工区域内にある新聞店に新聞が大型トラックにて納入され、仕分け作業を朝4:30には行わなければならないらしく、それまでに交通解放してほしいとの要望がありました。さらに施工区域内には、大小の下水マンホールやNTTマンホール、制水弁等が合計34カ所も点在しています。
そのほか、この時期この地域特有の状況として現場付近の青野川周辺を中心に、町を挙げての観光誘致イベント「みなみの桜と菜の花まつり」が開幕直前だった為、契約工期は3月17日でしたが、祭り開幕の2月5日までには施工を終わらせてほしいと地域からの要望がありました。

4.問題点と対策

⑴ 規制、時間的制限、時期的制限
当工事では道幅が大変狭く夜間工事の為、路線バスと緊急車両以外の『夜間全面通行止め』にすることとしました。また規制の際、不測の事態が起きないように夜間全面通行止め及び迂回路の周知を、工事起終点に設置した予告看板にて通行車両に知らせ、消防・警察・タクシー及びバス会社には、資料配布や訪問説明にて、近隣住民や近隣事業所には、回覧版や挨拶回りにて、工事着手の2週間程度前より行いました。
路線バスの最終便(21:42)、新聞店の朝刊搬入仕分け作業時間(4:30)を考慮して施工区間を3分割することとしましたが、それでも時間的に厳しかったので路線バスに事情を説明し、運行時には作業を一時中断し専用の交通誘導員を配備することで、最終便運行前の作業にご理解いただきました。また施工日については、混み合う師走、正月の温泉シーズンを避け、「みなみの桜と菜の花まつり」の始まる前である1月末から2月初旬に行うこととしました。
⑵ 夜間作業における騒音・振動の抑制
作業は夜間施工である為、真っ先に対処すべきは「騒音と振動」の抑制でした。当初の設計通り大型ブレーカーを使用した場合、騒音レベルは100から110デシベルにも達し、これは例えるなら電車が通過するガード下に相当し、住宅街でもある当現場で環境に配慮された設計ではありませんでした。そこで協議の結果、既設舗装版撤去について大型路面切削機(以下切削機)によるものと設計を変更していただきました。切削機での騒音レベルは概ね75から85デシベルとなり、またその作業スピードの速さから騒音の生じる時間も短縮できます。都市部の生活騒音が60から70デシベルといわれることと比較しても、大型ブレーカーに比べ相当な騒音削減に寄与出来ました。
⑶ マンホールの打換えに関して
切削機ではマンホール周りの施工に限界がある上、夜間のブレーカー使用は極力使いたくありません。そこでこれらマンホール周りに限っては、あらかじめ昼間作業にて舗装版を撤去、砕石埋戻し、仮舗装で復旧することとしました。
その他、通行規制に対するストレスを少しでも軽減し、親近感が沸くようにPR看板に南伊豆町ご当地ゆるキャラの『いろう男爵』を使用したり、事前測量等で現場に居る際は、道行く人に積極的に笑顔で声掛けを行い、相手から質問を受けた時は快く応じ、工事に対するイメージアップを心掛けました。

5.工程

以上の色々な問題点を考慮し、舗装盤取壊しを路面切削に変更していただき、マンホール周りは昼間施工した上に、夜間施工は路面切削から基層舗設、導水管布設までを一連作業と定めました。施工日数はマンホール周りが昼間2日間施工。切削・マンホール周り取壊し・基層工・導水管埋設は夜間3日間施工。表層工は一晩で施工、区画線設置工は昼間施工の計7日間の工程を組み無事に施工完了することが出来ました。

6.終わりに

今回は、排水性の合材の夜間作業を紹介しました。現場はどれをとっても同じ状況の工事はありません。一つ一つがすべて違う状況です。今回の施工現場では、南伊豆の祭りの地域の状況と道路幅員の狭さそれからマンホールの多さ、生活と密着した生活道路という様々な施工条件が重なった現場でした。しかし、発注者、公共施設関係者、交通関係会社、地域住民の皆様のご協力により無事故で祭りの開催に間に合いました。本当にありがとうございました。