• 平成28年度

再生大粒径Asの採用による生産性の向上

中村建設株式会社 木下数崇

1.はじめに

本工事の(市)東三方都田線は、浜松市北土木整備事務所より北へ約 1km 地点に位置する(主)浜松環状線(1 次緊急輸送路)を起点に北上し、国道 362 号線(2 次緊急輸送路)に至る路線で、市街地と郊外を南北で結ぶ重要な幹線道路(市道1級)である。
このため、東海地震、及び東南海・南海地震等の災害時及び緊急時に備え、緊急輸送路間のアクセス強化を図り、輸送路等として利用するため、老朽化した道路舗装の修繕が必要であった。

2.工事概要

工事名
平成 27 年度 防災・安全社会資本整備交付金事業 (市)東三方都田線舗装修繕工事
工事箇所
浜松市北区大原町地内
発注者
浜松市 北土木整備事務所
工期
H28.1.6~H28.3.24
工事内容
舗装打換え工事 A=1,400m2
(片側 2 車線道路 L=150m 全面打換え)
セメント乳剤安定処理 14cm
基層工・中間層工・表層工 各5cm


3.構造設計条件

①交通条件
舗装計画交通量  :1,130台 – N6(C 交通)
設計期間     :20 年
疲労破壊輪数   : 14,000,000 回
②基盤条件
区間CBR値   :12.7%
設計CBR値   :12
目標TA      :26cm
残存等値換算厚TA0 12.1
(アスファルト 0.5×10 ㎝、上層路盤 0.27×15 ㎝、下層路盤 0.2×15 ㎝)

4.問題点

当初の設計では図-2 に示すように、1 日の施工サイクルで
STEP①取壊し掘削⇒STEP②路上再生路盤工⇒STEP③基層⇒STEP④中間層
を施工しなければ、安全に道路開放することが出来ないため
(1)限られた時間内に道路開放するため、1 日の施工量が激減する。
(2)大型機械(切削機・スタビライザー)の 1 日当りの稼働率が少ない(原価に影響)
(3)運搬用車両(10tダンプ)の稼働率も悪い。
(4)多種類の重機が必要となり、危険因子が増大する。
(5)交差点施工であるため、完全通行止めが出来ない。
(6)施工日数の増加(住民・通行者の負担増大)

5.舗装構成の見直し(QRP工法の採用)

目標とするTAを確保でき、かつ工期短縮できる工法を検討した結果、急速舗装修繕工法(QRP工法)の使用を承諾にて実施した。

6.まとめ

当初設計の舗装構成で施工した場合、一次切削・1日、二次切削~路上再生路盤~中間層工 基層工・4日、表層1日と計 6 日間を要したが、QRP工法の採用並びに施工手順の見直しにより、工事日数を2日間軽減した。
計画したタイムテーブルどおりで現場を施工できたことにより、開放するまでの養生時間を確保することもでき、平坦性も全体平均で 1.10 ㎜と良好であった。
その結果、地元からの苦情も無く、無事故・無災害で終了し、工事点数も 88 点と高評価を得ました。
今後も同種の工事において、当初設計通りに施工を進めるのではなくより良い品質のものをより安全で提供できるように施工技術の研鑽にしていきたい。