• 平成27年度

交差点内打換工事での中温化合材の使用について

株式会社 エコワーク  飯塚 康裕

1.はじめに

 本工事は、県道島田川根線と島田金谷線の交差点内の舗装打換工事である。施工条件は、国道1号バイパスから工場や運送会社が多い場所へと繋がる箇所であり、特に昼間は大型車両の通行が多い為、夜間作業でかつ、片側交互通行による規制となる為、4分割での施工となる。

2.工事概要

工事名
平成25年度(主)島田川根線舗装補修(道路維持)工事(舗装工)
工事箇所
島田市中溝町地内
発注者
静岡県島田土木事務所
工事内容
施工延長L=66m 施工面積A=1100㎡
舗装構成
表層工 密粒(20)改質Ⅱ型 t=50mm
基層工 再生粗粒(20) t=50mm
上層路盤工(加熱瀝青安定処理) t=100mm

3.本工事における留意点と対策

 従来では、20㎝の打換えを行った場合、開放温度(50℃以下)の確保が困難であり、初期わだちの発生が懸念される為、基層開放する事が一般であるが、本工事では、交差点内での施工であり、段差開放時、通行車両の事故の危険が伴う為、即日復旧が望ましいと考えた。
 そして、開放温度を確保し、初期わだちを低減する為、承諾により中温化合材を使用する事とした。

4.中温化合材の施工温度経過表及び初期わだち調査結果


5.実施結果

 各層50℃程度まで温度を低下させる事ができ、開放温度(50℃以下)を確保する事ができた。
その結果、初期わだちを抑制する事ができた。 
又、開放時の事故・苦情もなく工事を無事完了する事ができた。

6.中温化合材の使用によるメリット

・施工日数の短縮により規制回数が減る為、事故発生の可能性が低減する。
 又、周辺住民への夜間工事における騒音等による負担が低減する。
・即日復旧となり、すりつけによる交通開放が無くなる為、昼間開放時の骨材の飛散や段差 による事故発生の可能性が低減する。
・従来の混合物より30℃程度低い温度での混合となる為、二酸化炭素発生量の削減となる。

7.原価について


8.その他対策事項

・温度低下を促進する為、強制冷却装置付タイヤローラーを使用した。
・即日復旧となり、出来形管理に費やす時間が限られる為、出来形管理が粗雑にならないようトータルステーションを用いて、三次元データ(面データ)を作成し、従来の点での管理ではなく、面で管理できるようにすることにより、任意の点で測定できるようにした。
 また、トータルステーションにより基準高を管理することにより、管理に費やす時間の短縮を図った。

9.おわりに

 本工事のように養生時間が十分に確保できず、大型車両の交通量が多く初期わだちが懸念されるような現場において、中温化技術の活用は極めて有効である。