中村建設株式会社 宮澤 正人
清水 颯夢
1.はじめに
本工事は、国道1号現道上り車線(静岡方面)が交差点手前でセパレートしているため、小さな交差点が2箇所近接する形となっており、道路利用者にとって解りにくい形状である篠原交差点の整備工事となる。最終形態として、セパレートしているためにできてしまった2箇所の交差点を1箇所に集約し、形状を単純化することで道路利用者の迷走や逆走防止を図った形態となる。またカラー舗装や案内標識の設置を行い、さらなる交差点の明確化を図った。
2.工事概要
- 工事名
- 平成26年度 1号篠原交差点整備工事
- 工事箇所
- 浜松市西区篠原町地内
- 工期
- 平成26年8月19日~平成27年5月25日
- 発注者
- 国土交通省 中部地方整備局
浜松河川国道事務所(道路管理第二課) - 工事内容
- 舗装工1式
排水性舗装工 1660m2
切削オーバーレイ工 4630m2
薄層カラー舗装工 265m2
区画線工 1式 他
3.計画段階での問題点
施工箇所は複雑な交差点であったため、舗装の計画や規制方法を考えるのに通常より時間がかかってしまうと考え、計画の段階で「CIM」を採用した。CIMとは3次元モデルであり、2次元図面と違い、3次元モデルはその内容をだれにでもわかりやすく表現できることが特徴である。計画・設計段階において、3次元の構造物モデルを作成・可視化することで、比較検討が容易になり設計ミスが削減できるほか、景観や環境のシミュレーションにより関係者間での迅速な合意形成につながる。CIMを採用したことにより、平面図からでは分からない視点から捉えることができ、計画における時間短縮に繋がった。
4.安全性の工夫
設計段階では、昼間施工にて各Stepごとに車線規制をかける設計だった。しかし、施工箇所は上記でも説明したように、道路利用者にとって分かりにくい形状であるため、日々道路の形状を変えて施工するとなると、事故の起きる確率が高くなると考えた。そこで、発注者へ夜間施工の協議を持ちかけた。当初の打合せでは夜間の車線規制として協議を行っていたが、発注者と警察との協議を重ねる中で、最終的に全線夜間通行止めで行う事が決まった。
5.品質確保における工夫
舗装の幅員がほとんどの箇所において6.5mだったため、6.0AFでは二回施工しなくてはならない。二回施工することで、施工時間がかかってしまうのは勿論だが、施工ジョイントができてしまい、平坦性が悪くなることが懸念された。
そこで今回6m以上の幅員がある箇所においては、ホットジョイント工法(AFを二台並走させ一度に施工する方法)を採用した。また、鋭角な曲線を含む交差点内については、ポーラスAs改質H型ねじれ抵抗性を採用した。
6.まとめ
最終的に、今回の工事において安全面では夜間全面通行止めで施工した結果、工事期間中一度も事故なく安全に施工することができた。また、夜間での切削時の騒音や車両通行止め規制に関しての地域住民・道路利用者からの苦情もなかった。