277名が富士山静岡空港で研修会
本年度の3団体技術者交流会は当協会が主幹幹事として企画し、5月22日富士山静岡空港をステージに開催された。当日は天候にも恵まれ、官庁職員、合材協会員、砕石業協同組合員を含め277名の参加を得た。
開催に当たり、竹村会長は、「良質な舗装を提供していくためには、今後も3団体の連携・関係者の技術向上が重要であること」「現在、空港建設現場は滑走路の舗設時期であるので、意欲的な技術習得に心掛けること」及び「開港の暁には多数の会員が利用してほしい」旨、あいさつした。
ご臨席いただいた静岡県建設部建設支援局技術管理室長大瀧斉氏からは、「土木施設の長寿命化への取り組みなど今後、現場の技術力が益々重要となってくる。空港滑走路の舗装研修は貴重な体験になると思われ、新たな技術習得を目指してほしい」との挨拶をいただいた。
研修前半は静岡県空港部静岡空港建設事務所副所長藤田泰秀氏より建設工事全般(工事内容、自然環境との共存、工事施行上の環境対策、今後の見通し等)について解説いただいた。次に日本道路・花菱建設JV海老原理哉所長から空港滑走路・誘導路の舗装構造、GPSを利用した情報化施工のシステム、仮設Asプラントの概要等について解説いただいた。(金谷:夢づくり会館)
午後は空港建設現場に移動し、静岡空港空港整備(滑走路工・誘導路工)工事〔施工:日本道路・花菱建設JV〕現場にて、ブルドザー、グレーダー、AsフィニッシャーにGPSを着装した路盤工と舗設作業の状況、及び仮設Asプラント(180t/h)の施設、製造工程についてJV職員から解説を受けた。
参加者から募ったアンケート結果の概略は以下の通りだが、今後の舗装協会及び3団体の活動に対し大きな期待が寄せられている。
【アンケート結果概要】時間が少ない/参加者が多すぎた/GPSの費用対効果知りたい/舗設速度知りたい/ビオトープを見学したかった/開催頻度増やして/若手職員対象の教育・研修会開催希望/実習を伴う研修を希望/3団体活動が技術向上・人材育成に貢献している
3団体技術者協議会について
従来「静岡県道路舗装協会」「静岡県As合材協会」「静岡県砕石業協同組合」の3団体は、夫々個々の団体として活動が主となっており、3団体間の交流は希薄な状況にありました。しかし、エンドユーザーに良好な道路舗装を提供するためには、原材料(砕石)の生産、合材への加工、舗装の施工という一連の作業での川上から川下まで継続された品質管理が重要であり、各段階での商品の受け渡しにおいても技術力を持ったもの同士が行うべきとの認識が高まってきました。このような状況下、県道路保全室のご指導、ご協力により平成17年12月、舗装関連産業の技術伝承、新技術・新工法にも対応できる技術力の確保、社会変化に対応しうる企業の育成を目的に、「3団体技術者協議会」が設立されました。
「3団体技術者協議会」では以下の2点が確認されました。先ず、各関係者で忌憚なく技術的な話ができる状況を作ること、及び他団体の製造(施工)工程や品質管理手法を理解することが必要との観点から、各団体持ち回りで「3団体技術者交流会」開催することとしました。2点目は各団体固有の課題であっても1団体では力不足である事案もあるので、3団体が共同して改善(解決)出来るものは協力し合うこととしました。「3団体技術者交流会」は、”道路ができるまで~骨材の生産から舗装の完成まで~”をキーワードとし、平成18年度は採石場をステージとして、砕石の製造工程・品質管理手法を学習(幹事;砕石組合)、平成19年は合材プラントをステージとして、As合材の製造工程・品質管理手法を学習(幹事;合材協会)しました。「3団体技術者協議会」ではこの様な催しを、レベルを上げながら引き続き3団体会員に提供して行くとともに、3団体で解決すべき課題について、現在その調整を行っております。