路上混合方式による路床良工の品質管理が今後の課題に
舗装現場を取り巻く様々な問題について静岡県建設部と意見交換をさせていただくための技術懇談会が、本年は9月9日、ホテルシティオ静岡で開催された。
開会にあたり竹村会長から、「今後は発注者とともに例えば舗装の設計・施工・維持管理までを協働精神で取り組む等して、それを舗装現場にフィードバックさせることで良質な舗装を提供するとともに会員の技術向上を図りたい」旨の挨拶があった。
大瀧技術管理室長からは、「適正施工への資格要件、ワンデーレスポンスなど速やかな対応、設計委託業務での評価制度の導入、単品スライド適用等について解説があり、最後に道路を取り巻く環境は厳しいが今後も課題・問題を共有し、適切に処理していく」旨の挨拶をいただいた。懇談会では入札条件/発注方法/技術者の配置等/設計照査・変更協議/設計図書と現場の不整合/設計計上/設計価格/提出書類/品質管理の9項目について14の観点から、具体的質問(要望)が行われ、活発な意見交換がされた。(論議の内容については、9月30日全会員に送付済み)この中で、路上混合方式による路床改良工の品質管理手法が話題となった。「静岡県土木工事施行監理基準(p246)」記載の路床安定処理工・現場締固め度測定方法は中央混合方式による盛土工法を前提しているもので、路上混合方式には対応していない。
路床改良が必要な土質の自然含水比は、最適含水比以上の湿潤状態にあるのが一般的であり、路上混合方式を採用した場合、現地を最適含水比付近に調整することは困難な状態にある。従って、自然含水比での施工を前提とした、配合設計、基準試験、施工管理手法の確立が求められる。これについては、今後の課題として道路保全室で検討していくこととなった。
更に、県部局の組織改正に伴い、建設部では通常舗装(公共道路)と共に農道舗装や林道舗装も所管することになったが、舗装の構造設計、仕様書、施工管理や検討手法が統一されていない箇所が見受けられることから、これについても今後の懇談会等で検討していく事となった。
県建設部出席者
- 静岡県建設部建設支援局技術管理室長
- 大瀧 斉様
- 静岡県建設部建設支援局技術管理室主幹
- 芹澤 郁雄様
- 静岡県建設部建設支援局工事検査室長
- 髙木 延様
- 静岡県建設部建設支援局工事検査室検査監
- 藤田 安志様
- 静岡県建設部道路局道路保全室長
- 日吉 敬郎様
- 静岡県建設部道路局道路保全舗装係長
- 平井 一彰様
平成19年度の技術懇談会においては、”車道の基層・表層・上層路盤工での基準高管理は行わなくて良い”との結論になり、既に平成20年4月から運用されています。全会員にはH20年4月9日に仕様書を改定する旨の通達文〔H20.30.31付 建工第145号「土木工事共通仕様書の一部改正について(通知)」〕を報告してありますが、県検査室より全ての企業に浸透していないとの指摘がありましたので、会員各位には全社員に認識させるよう、お願いいたします。