クロスチェック

2020年度

令和2年度 クロスチェック

今年度は4月からの新型コロナウイルス感染拡大に伴い、クロスチェック審査を中止することも止むを得ないと悩みましたが、多くの方からのご意見を参考にした上で、参加者の感染防止対策に配慮することで実施しています。「密閉」「密集」「密接」の3密を避けるため、会場の換気やソーシャルディスタンスを確保することが困難な場所での審査は避け、時間を限定した必要最少人数での審査体制を基本方針としました。

例年では、オブザーバーとして参加する静岡県及び政令市の各官庁・砕石業協同組合・道路舗装協会は立ち会い工場を指定できたのですが、今年度は感染防止に配慮し、合材協会で選定した工場に立ち会う形式となりました。

県内にあるアスファルトプラントの27工場を対象として、11月4日から12月10日迄の期間において東部地区・中部地区・西部地区の順番で行い、書類審査関係を14日間・混合物確認試験を6日間の実日数20日として審査の全日程を終えています。

少人数で短時間の審査となり、全てが限定される中での書類審査は慌ただしい状況となりましたが、昨年度から審査チェックシートに大きな改正が無かったこともあり、工場側から提示される書類には不備は無く、大きな指摘事項や問題が発生することも皆無でした。

書類細部までの確認は短時間のために困難ではありましたが、品質管理の統計データをチェックした限りでは、作業標準書内で定められている社内規格値の範囲内で推移していますので、試料採取時における混合物の目視観察状況と併せて判断しても、日頃から安定した混合物の製造と管理を徹底していることが伺えました。

工場施設のチェックにはもう少し時間を費やしたいところではありますが、昨年度と比較して「GHSラベル」が工場内にわかりやすく明確に表示されていることは進歩している点であり、評価するポイントでもあると思います。プラント設備・使用骨材ストックヤード・産業廃棄物置場は整理整頓されており好印象でしたので、定期的な清掃は継続していただきたいです。

また、近隣住民からの「粉塵」「騒音」「臭気」等の苦情が合材工場にとっては大きな悩みであるとは思いますが、各工場で情報交換をしながら対策をお願いしたいところではあります。

今年度は新型コロナウイルス感染防止対策で短時間での書類審査となりましたが、来年度は「短時間でより正確な書類審査」を目標として、余裕ができた時間をプラント設備や安全に関してのチェックに活用することで、審査の内容をより充実させることが可能になれば良いと思います。

また、将来的には審査方法も紙ベースから「プロジェクターやタブレット端末の使用」をすることや「リモートやウェブの導入」による審査等も、今回のコロナ禍のような特別な状況下では必要になるのと考えられるので、これからのクロスチェック審査の体制や環境づくりも今後の課題になるかも知れません。