2022年度 クロスチェック審査
2022年度のクロスチェック審査は、県下27工場を対象として西部地区からスタートし、書類審査を11月1日から25日、確認試験を12月1日から15日の期間で実施しました。
昨年度まではコロナ感染症の予防対策として審査への参加人数を制限していましたが、今年度は小康状態になったことから、多数の参加を可能として実施する方針としています。
それにより、アドバイザーである各官庁ならびに三団体技術者の方々からの参加者が増え、積極的な発言や率直な意見が出ることで、例年よりも活発で厳格な審査が実施できたように感じられました。
書類審査のチェックシートは昨年度と同様でしたが、書類審査関係では「作業標準」「教育訓練・作業打ち合せ等を記録した帳票類」「製造工程・品質管理関係等の帳票類」についての各書類に不備がある工場は皆無であり、使用骨材及びアスファルト等の材料保管状況を始めとする工場内のチェックについても大きな問題はありませんでした。
供試体の性状確認試験についても同様であり、立ち会い試験と自社試験の試験結果は僅かな差に留まり、異常値と判断されるものは見受けられず、全て良好であったという印象です。
また、今年度からは、クロスチェック審査の進歩と工場における品質管理への意識改革に繋げることを目的として、昨年度の試験結果をもとにした合材協会の目標値を設けており、各工場の基準値から下記のように許容誤差(変動幅)を定めています。
※ 基準値からの許容誤差 ・ 密 度 (g/㎤):±0.02 ・ 安 定 度 (kN):±5.0 ・ フロー値 (1/100㎝):±6.0 ・ 抽出アスファルト量 (%):±0.3 ・ 抽出粒度2.36㎜ (%):±6.0 ・ 抽出粒度0.075㎜(%):±3.0
新たな取り組みではありますが、短期的な審査の合否判定に用いることは適切では無いとも考えられるので、現段階ではあくまでも目安として捉え、判定基準としてはこれからの熟考が必要です。
今回の性状確認試験の結果は基準値からの乖離も少ないですが、各工場で試験結果やデータを比較することで競争意識や技術的な疑問を持つとともに、技術者同士が切磋琢磨することで技術力ならびに品質の向上に努めて欲しいと思います。
静岡県アスファルト合材協会 技術委員長 佐藤千速