クロスチェック

2019年度

令和元年度 クロスチェック

5月に元号が平成から令和に替わり、初めてのクロスチェックとなりました。

本年度は、書類審査と試料採取を11月5日から28日にかけての14日間、確認試験を12月3日から8日にかけての6日間で実施しました。

内27工場全てにおいて、作業標準書・教育訓練や作業打合せの記録・品質管理関係を始めとした帳票類、使用骨材・製造設備関係の製造工程をチェックした上で、大きな不備や指摘は認められませんでした。

また、試料採取した混合物の品質確認については、基準値と立ち会い・自社の試験結果を比較すると多少の差異はありますが規格値の範囲内であり、日常の管理データと併せて判断すると問題は無く、各工場からは良好な製品を舗装現場へと供給できていると思います。

クロスチェック審査制度は本施行から昨年度で20年を迎えていますが、国土交通省が実施している事前審査制度を手本として、年度ごとに審査内容を見直すことで改善を重ねてきましたので、近年の審査結果を見ましても工場の作業標準書や品質管理の基になる書類については、全工場が一定のレベルにまで到達していると感じられます。

21年目となる今年度はその点を考慮し、無理に審査チェックシートの内容を変更することを避け、次のレベルに向けてどの様な取り組みをすれば良いか検討するために準備する年度として位置づけています。

審査内では各工場の現状を把握するためにヒアリングを主として実施していますが、災害時における事業継続制度(BCP)・混合物等の安全データシート(SDS)・工場及び化学物質等のリスクアセスメント(RA)・品質管理における社内規格と管理方法・働き方改革における工場の対策等についての進捗状況を各担当者から聞き取りを実施しました。

BCP・SDS・RAについてのヒアリングの回答では、理解が乏しく的外れな意見が出た工場もあったようですが、“クロスチェック審査制度についてどのように考えているか?”との質問(自由意見)には、「技術的に有効である」「事前審査と同レベルの制度」「今後も継続を願いたい」等々、肯定的な意見が多く感じられました。

工場ごとで比較した場合には統一性が無い部分もありますが、これは各工場・各社の特徴が出る部分でもあるので、多くの審査に参加して貰い、良い部分は吸収し、今後の知識や意識を向上させることに繋げて欲しいと思います。

時代や業界の厳しい流れもあり、若年層や試験員の人数も減少傾向ではあるとは思いますが、技術継承は大切なことですので、ヒアリングの内容や皆様からの意見・要望からアイデアを貰いながら、来年度からもレベルの高い審査となることを望みます。